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マイペース70代

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里親について

養護施設で育った人のサイトで、「里親」という言葉について考えさせられた。
通常「里親」という言葉は、親のいない子ども(あるいは事情によって育てられない子)を家庭で引き取って育てる人のことを言う。
しかし昨今は、引き取り手のない猫や犬を育てる人のことも「里親」と言っている。
私も以前から、動物を育てる人に対して「里親」ということには、若干の違和感があったが、さほど深く考えることもなく見過ごしていた。
しかし、養護施設で育った人にとっては、人間の子どもと動物とを一緒にしたような使われ方は、とても不快感を覚えるという。
確かにそうだろうと思う。
事情があって親から離れて施設に暮す子どもにとっては、里親に育てられる可能性もあるし、それが犬猫と同様の言葉を使われるのは嫌に決まっている。
犬や猫は「家族同様」とは言っても、あくまでもペットであるから、「里親」ではなくて「飼い主」と言って欲しいという主張には、全面的に賛成する。
誰しも、自分の体験によって感じることには敏感である。
「養護施設」や「里親」のもとで育つ子供たちは少数であり、上記のように至極当然の訴えに対しても、「些細な言葉にこだわっている」という見方をする人がいる。
しかし、「嫌だ、不快だ」と言う人に対して、「言葉にこだわるな」はないだろう。
誰かが嫌だといったら、それが特に不当な主張でない限り、配慮をするのが当然だと思う。
また、どれほど職員が子どものために頑張ったとしても、施設は施設であり家庭にはならないだろう。
子どもが育つには、自分だけを見つめて付き合ってくれる大人が必要だ。
しかし、施設は基本的に集団生活であり、その中で子供たちは、様々なことを我慢し続けているはずだ。
そのような中で、職員によるいじめや虐待があるなど、許されることではないのだが、現実にはそのようなことも少なくはないようだ。
ただでさえ、人生の初めから厳しい状況の子供たちが少しでも良い人生を送ることが出来るように、私達はもっともっと配慮しなくてはならないだろう。
一般の私達が出来ることは、そう多くはない。
しかし、ネット上でそのような立場の人の声を聞けるのだから、その声や叫びに謙虚に耳を傾け、自分の出来ることから行動に移していくことが、彼らを応援することになると思いたい。
まず私は、今日から動物を育てる人に対して「里親」という言葉は使わないようにしよう。
( 2003年08月23日 )




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